HaniwaFactory [Blog版]

Amazonで検索:
<<Kindleストア ベストセラー>>

スポンサーサイト

はてなブックマーク - スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【--/--/-- --:-- 】 | スポンサー広告 | ▲TOP

にわか雨

はてなブックマーク - にわか雨

夫と付き合いだして2日目の話。
雨上がりに撮った写真が残ってる。
ウキウキさん=夫。

この記事は大昔にHaniwaFactoryの日記コンテンツで公開していた文章です。
ブログへの掲載にあたり、デッドリンク部分など加筆修正をしております。
ご了承ください。
2005.10.27再掲 //////////////////////////////////////////////////////

ウキウキさんと肩を並べて上野公園を歩いていたら
突然、大粒の雨が降ってきた。

美術館に行く予定だった私たちは
「ひゃー雨だ雨だ。」と、とりあえず足を速めた。

でも、私もウキウキさんも走ったりはせず
木々の下で少しでも濡れない場所に足を向けながら歩いていた。


私たちの周りでは、常備していた折り畳み傘をカバンから出して
「お前、でかした!」と彼氏に誉められている女の子や
「ぎゃー!」と必死の形相で叫びながら小走りに駆け抜けていく
綺麗な格好の女性や、困った顔のオバサン、不機嫌な顔のオジサン、
ベビーカーを動かしながら慌てふためく家族連れ

歩いていく人々、それぞれが突然の雨に対して
いろんな表情でいろんなことをやっていた。


ウキウキさんと『一緒に雨に降られて濡れる』というのは初めてだった。

腹を立てても仕方の無いコトには面倒臭くて腹を立てない私と
細かいことはあまり気にせず我が道を突き進むウキウキさんは
美術館の手前の木立で雨宿りしていた。


  今、きっとみんな美術館に押し寄せているから混んでるよね。
  失敗したなぁ、あとちょっとだけ早く行ってたらタイミング良かったのにな。
  まぁ、仕方ないでしょ。ひゃー、すごいねこの雨は。
  空明るいし。もうちょっと待ったら止むはずだから待ってみようよ。
  そうだね。
  こっちの方が雨に濡れなくて済むかな。


ガサガサガサ。


植え込みを掻き分けて、カエデの木の下で私たちは立ち止まった。

私はポケットからハンカチを、ウキウキさんはリュックから長いタオルを取り出した。

自分の頭にハンカチを載せていると私の方が髪が長いからなのか、気を使って
ウキウキさんは自分の持っているタオルをハンカチと交換で私の頭にかけてくれた。

申し訳ないね、ありがとう。
いや、別にいいよ。


ザー。

雨が降り続く。


楽しくなってきた。


私たちの少し後ろには若いカップルが居た。
彼らは植え込みの中に建ってる青いビニールハウスの軒先を
少しだけ借りて雨宿りを決め込んでいた。
学生風の2人はしゃがんで小さくなって空を見つめていた。
彼らの行き先も、おそらく私たちと同じ美術館なのだろう。

雨が止むのを待ちながら、することもないので
私は後ろの見知らぬ2人のことを気にしていた。
すると裏の方から、その家の持ち主であるホームレスのオジサンがノソノソ出てきた。
男の子はニコリと笑って「すみません、少しだけお借りしてます」と頭を下げた。
隣の女の子は少しだけ困惑した顔をしながらも笑顔でペコリと頭を下げた。

オジサンは「いーよ、いーよ。」とニコニコ笑っていた。


少し雨が弱まってきた。

ウキウキさんは誇らしげにTシャツを見せつけた。
「今日はユニクロの、すぐ乾くシャツだから大丈夫だもんね」
何が大丈夫なのやら。ヘラヘラと笑った。

  そろそろ行こうか?
  そうだね、今のうちに建物に入ろうか。

頭の上に乗せていたハンカチとタオルを軽く絞って
腕やカバンを拭いて準備。


私たちの後方、ビニールハウスで雨宿りしていたカップルの所へ
家の持ち主のオジサンがニコニコしながら戻ってきた。
左手に傘を1本持っている。
「よかったらこれ、使ってよ。拾ったやつだから返さなくていいよ。」
男の子は「アリガトウゴザイマス!」と、すこぶる笑顔で傘を受け取った。
女の子も笑っていた。


そんな光景を見て私もつられてヘラヘラ笑いながら
ウキウキさんと供に木立を抜けて歩きはじめた。

  今の見てた?
  え?何が?
  後ろで傘もらってたの。
  ナニソレ、見てなかった。

後ろで繰り広げられていた光景に気づいてなかったウキウキさんにそれを話すと
友人もまた濡れたTシャツの肩を揺らしてケタケタと笑った。


突然の雨で濡れたTシャツを、それほど気持ち悪いとは思わない。


そういう所が似ていると思った。
スポンサーサイト

テーマ:旦那さんのこと。 - ジャンル:結婚・家庭生活

【2003/09/14 00:00 】 | 過去の日記ベスト | トラックバック(0) | ▲TOP

2人の軌跡

はてなブックマーク - 2人の軌跡

夫と付き合う直前くらいに一人で映画観に行った時の話。
ウキウキさん=夫。

この時のことは今でもよく覚えてる。

この記事は大昔にHaniwaFactoryの日記コンテンツで公開していた文章です。
ブログへの掲載にあたり、デッドリンク部分など加筆修正をしております。
ご了承ください。
2005.10.27再掲 //////////////////////////////////////////////////////

その日、私は久々に一人で映画を観に行った。


目指す日比谷の小さな映画館は、行くのが今回で2度目である。

念のため、ネットで地図を見て道筋を確認したが
地下鉄の駅から近いこともあって
道に迷うことなく無事に到着することができた。


さて。

上映時間まで40分ほどある。
チケットを買った私は少しブラブラしながら
切らしているカメラのフィルムを何処かで買おうかと考えていた。

確か、このあたりにビックカメラかなにか
量販店があったはずなのだ。

こないだ来た時にネオンを見たような覚えがあるから。

が。

あれ??


前に一度歩いたはずなんだけどな。

こっちだったかな?


・・・・あれ???
全然道がわかんないぞ。

どうしたことだこれは。


前回ココへ来た時、つまり最初の時にはウキウキさんと2人だった。
私はウキウキさんと映画を観て、その後メシを食ったはずだ。

記憶の糸をたぐり寄せて、
どこかで見たはずのネオン看板を頭に思い浮かべる。
あれはドコだった?

えーっと。

どう歩いたっけ?


・・・・えーっと。

前回に行った時に観た映画は、それはそれは素晴らしくて
私はかなりの距離をウキウキさんと「あれはあーでもない、こーでもない」と
高揚した気分のままで話しながら歩いていたのだ。

話の内容はキッチリ覚えているけれど
街並みや景色をごっそり覚えていないらしい。

まずいな。
今でさえ迷い始めている。
これ以上、下手に動くと本当に道に迷って映画どころではなくなるぞ??

結局すぐに引き返して
上映時間まで私はボンヤリと入場待ちの列に並んで過ごした。

--------------------------------------------------------

2時間後。

観終わったばかりの台湾映画は、とても綺麗な原色の映画だった。
ちょっとした感動を胸に清々しい感じでトコトコと映画館を出た。


そこで、不思議なことが起こった。


「あ、この景色知ってる。」

白くぼんやりと光る、ライトアップされたビルの間の噴水と
映画を見終わったばかりで少し疲れた足取りの人々と
すこし目線を上にすると視界に飛び込んでくる騒々しいネオンや看板と。


あの日の景色だ。

2時間前まで、いくら探しても見つからなかったあの景色だ。

忘れていたわけじゃなかったらしい。
映画を観終わったあとの高揚感がトリガーとして必要だったらしい。

少しだけ、歩く速度を遅くした。

噴水を通り過ぎながら私はあの時
「この映画ほんとにすごいんだけど、なんでみんな馬鹿ばっかりなの」
と、その日観た映画に対して感動しつつ一人で勝手に怒り出してウキウキさんが笑った。

角を右に曲がって横断歩道の信号が青に変わるのを待ちながら
「それは映画の根幹になる部分でしょ、テーマでしょ?それに問題を投げかけるつもりなの?」
と、ウキウキさんは笑いながら穏やかに言った。

横断歩道を渡ると道がタイルで舗装されて、オシャレな外観のビルからは
白い蛍光灯の光が沢山洩れてきて。

照らされている私らの顔も少しだけ白んで見えて。

よく笑ったんだった。
そうそう、思い出した。

ウキウキさんのあの顔、サイコウに可笑しかったナ。


そんなこと思い出して、一人でニヤニヤと笑いながら歩いていると
私は2時間前に一生懸命探そうとしていたビックカメラを見つけた。

下品なライトアップは死ぬほど目立っていたが
時間は21時をまわっていて、キッチリ閉店していた。

次に来る時はちゃんと覚えておかなきゃなぁと思いつつ
『この信号を渡った後にはメシを食う店を決める話になったんだよな』
と、やっぱり前のことを思い出していた。


甦った景色を懐かしく眺めていた。


私はあの日の私らの軌跡を、ぼんやり辿りながらトコトコ歩いて
牛丼を食べて帰ってきた。

良い夜だった。

テーマ:旦那さんのこと。 - ジャンル:結婚・家庭生活

【2003/09/10 00:00 】 | 過去の日記ベスト | トラックバック(0) | ▲TOP


| HOME |

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。