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スガノ君(仮名)のこと。

はてなブックマーク - スガノ君(仮名)のこと。

私が二十歳ぐらいの頃、知り合いにスガノ君(仮名)というギター少年が居た。長髪で長身で、いつも文庫本読んでてあんまり喋らないんだけど、バンドやっててギター上手いってんで一部の女子には人気だった。

講義の時、たまたま隣の席になって私がノートに赤ペンで印つけようとした時だ。昔から『ペンのキャップは使用中、口にくわえる』という変な習性があって、その日も私は赤ペンのキャップを口にくわえていたのだが。隣でノートなんて書く気も無く、テキストに重ねた文庫本読んで座っているだけのスガノ君が私を観察していたらしい。

突然『ねえ、あんたなんでキャップ口でくわえるの。』と聞く。

「ペンの尻にキャップをはめると、バランスが悪くなって書きにくい気がするし、机に置いたらどこかに転がっていくから。」とか、私は適当な理由を並べ立てた。本当は無意識なので、あまり理由はなかったのだが。

『ふーん。』と答えて暫く時間を置いてから、突然またスガノ君が言う。

『じゃあ、俺今暇だから。あんたがペン使う時にそのキャップ持っててやる。貸せ。口にくわえるのは見てくれが良くない。』

ナンダコイツ変な奴だなと思ったが、面白いので「あー。では、お願いします。」とキャップ持っててもらった。使う時だけだから、ペン出したらスガノ君にキャップをイチイチ渡すのである。とんでもなく面倒くさい。


一部の女子にモテているスガノ君との、最初の接点はそこだったはず。


キャップの件は面倒なので「口にくわえた方が楽じゃねぇか、面倒だよ」と私が断ったので、それ以降無かった。でもまぁ、顔を合わせれば少しは会話する程度になった。

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ある日また、スガノ君と隣の席になった。講義の間、突然スガノ君が言う。

『ねぇねぇ、俺左足の股関節だけ外せるのだ!実は特技!!』

「ハァ??」

『今外してやるからここ触ってろよ!』


っていうから、仕方なく太もものあたりに手を置いたらゴリッ!!という鈍い音と共にスガノ君の大腿骨が私に向かって盛り上がった。

「えっ!!!アンタ大丈夫なのそれ。歩けるのか。」と、さすがの私も気持ち悪くて心配してしまったが。これまた鈍いゴリッという音と共に股関節を元に戻したら、顔にかかった長髪を軽くかき上げながら

『平気。』

と、涼しい顔で言う。その後、何度もその特技を男女問わず披露して、アッと言わせてニヤニヤ涼しい顔で笑っているスガノ君の姿をよく見た。一部の女子にモテているスガノ君は、結構変な奴だった。

---------------

ある日、スガノ君が言う。

『アボカドほど不味い食べ物はない。と俺は常々思う。』

アボカド!母親が嫌いで買わないから、当時の私は実はアボカドというものを一度も食ったことが無かった。それを正直に話して「だから、味分かんないよ。」と答えたら、えらく驚いた顔をされた。

翌日、スガノ君に合ったらスーパーのビニール袋を渡された。

『どれだけ不味いか、これを食って確かめろ。とても不味い食べ物だ。』と。中身はアボカドが1個入っていた。なんでわざわざ不味いものを自信満々に人に買ってくるんだよコイツ。

一部の女子にモテているスガノ君は、とにかく変な奴だった。

---------------

ある日、20人ほどの大所帯で飲み会があった。中にスガノ君も居て、たまたま近くの席になった。全員酒が飲めるようになって間もない人間ばかりなので、飲みすぎてベロベロになる奴も多かった。スガノ君は、俺は昔からそこそこ飲んでるなんてイケナイことを言っていたが、全員がサワーだの生中だの頼んでいるのに、カッコつけて一人だけバーボンのロックを飲んで、人一倍べろんべろんであった。

ベロンベロンのスガノ君が話すことといったら

『俺はレッドツェッペリンが好きだ!!!!』

だけである。ギターの話も凄いけど、巡り巡って結局最後はその話題になってしまう。周囲にも音楽やってる人が集まっていたせいで、それでもわいわい会話になっては居たんだけれど、スガノ君はビックリするほど同じことばっか言う。なんて面倒なやつなんだよ。スガノ君愛用のZippoもLed Zeppelinって書いてあるのだぞと、水戸黄門の印籠みたいに見せられた。そして仕舞いには

『俺はレッドツェッペリンのためなら死ねる!!!!』

と飲み会の端っこの席で何度も叫んでいた。一部の女子にモテているスガノ君は、わりと変な奴だった。

私に対してもえらく熱心にレッドツェッペリンの話してくるもんだから「ハードロック聴かないし。洋楽そもそも聴かないし。移民の歌しか私は知らん。」と答えたら、スガノ君はとんでもないことを言う。

『お前は確かカーペンターズが好きだっただろう。洋楽でもそれだけは聴くと言ってたではないか。高校時代にバンドやっててコピーしたんだろう。お前はカーペンターズのためなら死ねるとは思わないのか。』

全然思わないよ!!!無茶言うな!!!

もう訳わかんないよスガノ君。一部の女子にモテているスガノ君は、物凄く変な奴だった。私は噂に聞くスガノ君のギターの腕前を見る機会が一度も無くて、楽器持ってる姿さえ見たことが無かった。無口で近寄りがたい雰囲気かもしてるくせに、一旦口を開けばよく分からんことばっか言う奴だという認識しかなかった。

しかし私も若干二十歳だ。『俺はレッドツェッペリンのためなら死ねる』なんて台詞、意味よく分からないけどカッコイイなとか思っていた。自分に理解の出来ないことはちょっとカッコイイとか思ってしまう時期ってある。

それでも、飲み会が終わって店の外に出るやいなや、路上で誰よりも早く戻していたスガノ君を見たら「ああ、やっぱこの人…変というかショーモナイ人だな。」と思った。

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で、16年後の現在に時を戻す。

私は『台所で食器を洗っていると、過去の嫌な記憶やトラウマ的なものが脳裏に蘇る』という凄く変な習性があって、皿を洗っているとたまに思い出すことがあるのだ。

スガノ君に本を借りっぱなしで、いまだ返していないということを。

いつもやたらと文庫本読んでるんで「何読んでるのいつも。」と聞いたら、大体が三島由紀夫だった。たまたまその時はエッセイだったと思う。スガノ君が見せてくれたので数行目を通してみたら、わりと面白そうだったんで「これ、読み終わったら貸してくれない。」と聞いたらば。『俺これもう何度も読んでるから。今すぐいいよ。』と、そのまま貸してくれた。

で、それがそのまんまなのだ。結局本も半分しか読まずにほったらかしで、気が付いたらいつのまにかスガノ君とは会わなくなっていたんで、そのまんま。

嗚呼、スガノ君。本借りパクしてごめんマジで。三島由紀夫そんなに面白くなかったんだ、趣味じゃなかった。そんなしょうもない後悔の念で胸いっぱいにして俯いていた時に、突然ハッと考えてしまったのだ。

「レッドツェッペリンのために死ぬ」って、一体全体どんな状況なわけ??

16年後にやっと気付いた。そこ、おかしくないのか。どうやったら人間はレッドツェッペリンのために死ぬるのだろう。それは可能なのか???どんなシチュエーションで??

風で何処からか飛んできたレッドツェッペリンのレコードが、断崖絶壁の淵に落ちてしまい「レッドツェッペリンのレコードだけは守らねばならぬ」と走って取りに行ったらば、崖が崩れそのまま死んじゃうとか?ないない。無いよ無い。

ここ2~3日、色々考えてみてはいるんだけれど全然分からないでいる。

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